今朝 外へ出ると 何かがちがった
雲がこんな下まで降りてきている。
よほど上が寒かったのかしら。。。
そして世界はますます白さを帯びていた。
木という木はすべて白い木になっている。
温度計を見てもいつもと変わらないマイナス10度くらいなのだけど 体感温度は遥かに冷たい今日。
だいたいいつも砂漠みたいな雪なのだけど、私はふと気がついた。
今日の雪はちがう。
車のフロントガラスを良く見てみると ラブリーなキラキラが散りばめられていたのだ。
雪の結晶がクッキリと形を作りそのまま張り付いている。
よく見ると積もっている雪が すべて雪の結晶でできていたのだ。
どこもかしこも ラブリ~
どのつぶもどのつぶも 自然の作り出したこの形はなんて完璧で 美しいのだろうと 永遠に見入っていた。
見えるだろうか。
とても寒く晴れた日には 小さな小さな雪のクリスタルがきらめきながら 舞う。
先日 同じ村の(といっても少し離れている)おばあちゃんがもう10年以上も使っていないからと小さな織り機を譲ってくれた。
なんでも村の人の手作りの織り機なのだそうだ。
ちゃんと使えるのか不安に思いつつも キッチンで組み立て、そのまま比較的うちの家ではあたたかいキッチンで織ることにした。
前の晩から豆を水に浸してもどしておいたりして、ことこと豆を煮ながら織る。
キッチンがアトリエ 愉快な気分になる。
そういうわけであっという間に 半信半疑ではじめた第1回目の縦糸を織りあげてしまった。
何種類かランチョンマットやフキンを織ってみた。
織り機との相性もバッチリのよう。
明るい春のような天気だったのでさんぽへ出かけた。
雪に覆われた草原は 永遠に続く砂漠のよう。
モーターバイクの道を辿って雪の上をひたすら歩く。
髪の毛がまっ白に凍る。
植物も白い髭をつけている。
ただただ白い雪の上でも、森に入ると たまに何かを発見する。
そして、氷砂糖で覆われたように身を固くしている そのひろいものを持ち帰る。
私が雪の上で見つけたもの。ナナカマドの実は鳥さんの落し物。
ある日の誕生日会。
誕生日プレゼントに何か・・・と考え、千代紙で折り鶴のモビールを作ってみた。裏のリンゴの枝を少しいただきいろいろな色の鶴を結びつけていく。
白い景色の中で鶴の色が楽しげに動いている。
そしてもちろん、誕生日と言えば プリンセストータと呼ばれるケーキ!
ヘルシーと対極にあるようなケーキであります。
グリーンの部分はマジパン、そして中の半分くらいを生クリームが占めている。スポンジとジャム、そして少しカスタードクリームのようなものもはさまれているあまーいパンチのあるケーキなのです。
これを食べてみなさん大きくなるのですね・・この国では。
今日はマイナス4度だからあったかいね。
と言う。(マイナス14度の朝にくらべたら・・・ということなのだが)
外へ出る時は、ズボンの上にさらにナイロンのあったかいズボンをはき、雪用のブーツに足をつっこみダウンコートに身を包む。ふと考えると こういう格好はスキー場に行く時しかしないのに、ここでは日常着である。
外へ出ると顔を切るような冷たさが身を引き締める。
歩いていると 向こうから喜び興奮した犬の鳴き声が近づいてきた。
黒い犬を連れた 薄いブルーと白のウィンターウェアに身を包み、スキーの長い板をはいた女の子が、まるで犬ぞりのごとく滑ってくる。
あっという間に私を通りすぎ まっ白い道なき傾斜を横切り あっちの丘から現れ こっちの森に隠れと私の目の前の大画面を喜びに満ちあふれた犬の鳴き声と共に見え隠れする。
冬の色や音や空気を凝縮したような キラキラした光景だった。
こういうのが冬っていうのである。
朝起きると 外は昨日より白さが増していた。
ここはまだ真冬のスウェーデン。
常夏(と言いいたい)の愛媛とはまるでまるで別世界なのです。
どうしてここの人達が赤い色の家にしたのかわかる気がする。
水墨画が漂う禅の世界のような雪景色。
木の上には雪の花。
テレビでラップランドの雪の中を犬とテント1つで旅をしている人が、ハツラツと「1月に入ると日に日に刻々と日が長くなっているのを感じる。春まであともうすぐだ。」と言っていた。あんな顔にツララができる寒さの中でも春を感じるのかと思うと、人は心がけ次第だと 思った。
まだしばらくは 白さに目を細める日々のようです。