魅惑の高原植物
このステキすぎる植物の押し花。
「高原植物の実態」というタイトルで、5枚組のポストカードになっている。
押し花の下には何科で何という名前か、スタンプされていて、その文字も、植物の美しくはかない佇まいも、ため息が出るほどかわいらしい。
あまりに欲しそうにしていた私に、ある人が譲ってくれたポストカードセット。
昔、高原に出かけた人が買って帰るお土産だったのだろう。それにしてもとてもきれいに押し花されている。
この高原の植物セットを見た時、スウェーデンで、似たような花を押し花にしたのを思い出した。
高原もスウェーデンも共通して厳しい環境だ。そんな中で咲く花々は、小さくて繊細だけど強い生命力をぎゅっと凝縮したような形をしている。
スウェーデンにいる時はそんな植物に、年中魅せられていた。今思うと、なんて欲深いんだ・・・と反省してしまうけれど、どうにも止まらなく、あれも欲しい、これもとっておきたい・・・と、歩いては花を摘み押し花をしていた。森へ入ると同じ種類の植物も形や色が微妙に違っていたし、北の方へ行くと、また全然違う植物が咲いていた。
それらを、3冊ほどの雑誌にはさみながら採取した日付と場所を記入していた。
が・・・ 残念なことに、放置していた私も悪いのだが、日本の暑さと湿気にやられ、虫が湧き、ボロボロになってしまったのだ。しょうがなくほとんど捨てるしかなかったのだが、その中から救出されたものを、今回やっと額に入れてみた。
もちろん今私が住んでいるところにも、あらゆる植物が咲いている。だけどスウェーデンに住んでいた頃の、どうにも止まらなかった植物へ対する執着心は、すっかりなくなっている。日本にいた頃の私には植物を見る余裕がなかったのだなと考えていたが、そうではなかったよう。
魅惑の高原植物。
額を眺めては、小さき植物の愛しさにほれぼれしています。