これからの布のこと
コロナ禍で、いろんなイベントが縮小されたり、なくなったりはするけれど、私のこの小さな工房に与える影響なんて、大したことないわ・・・と思っていたのですが。。。
もうショックでたまらない事がありました。
私は自分でデザイン、製版、プリント、縫製までやっているのですが、プリントに関して言えば、一人でできる範囲の事というのは限られています。(もちろん私1人でやるからできる事というのもあるのですが!)
自分ではできない表現ができ、また布を欲しいと言ってくださる方に販売できるということもあり、今までいくつかの布は手捺染の工場のおじちゃんにプリントをお願いしていました。(現在ネットショップで切り売りしている布はそうです!)
年末に、コロナの影響もあり、お世話になっていた工場が廃業するということを聞きました。私はずっと頭の中でしたためていた図案があり、それは工場でしかできない表現満載だったので、ああ、もうそれが現実化することはないんだ・・・と思うと、それも大変ショックだったのですが、とりあえず、廃業しても版さえあれば、きっとどうにか自分でプリントすることもできるので、せめて今まで制作した布の版を送ってもらえないかと頼んでみました。
版ってね、とっても高額なんです。(自分で制作すると大したことないのですが、工場で使用するものは布幅もある大きな版なので・・・)
私にとっては大切な財産。。。なんです。
なかなかおじちゃんから連絡がなく、廃業した後、どうにかいくつかは送ってもらえると聞き、少し安心していたら、、、なんだか手違いがあって、、私の手元に残ったのは1柄のみ。
悔やんでも悔やみきれないのですが、あとの版は処分されたあとなので、どうしようもない。。。ということ。これが本当に今年1番のショックな出来事でした。
不幸中の幸いということにしておくのですが、手元に残った1柄というのは、私の代表作とも言える、えひめのiyokanの柄。
これもなかなかの大きさなので、きっと私のアトリエでは誰か助っ人をお願いしないと1人ではプリントできないサイズです。
でも版がある限り、きっと布を作ることは可能だと思うので。。。
しばらくは、このショックな出来事にうなだれていましたが、ああ、こういう機会なんだな、と受け入れる気持ちが湧いてきました。
sun and snow10周年を過ぎ、私の家庭環境、今の時代の流れ、いろいろな意味で転換期だなーと再認識。プリントを辞めちゃうっていうわけではないと思うけれど、今後は今の自分に素直に向き合って制作したいな・・・と。
ということで、今ネットショップに出ている布の販売は、きっと今の在庫がなくなったら、、残念ながら、終了となります。。。
これは私の刷り台。いろんな柄のインクが浸透して、不思議なニュアンス。
粘着力が落ちてきたので、久々に地張り糊を塗布するメンテナンス。
5月22日から茨城にあるPlumさんでの布展に少量ですが、納品しています。お近くの方はぜひ。