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2010-01-23

NINI

 同じエーランド島に住んでいるKicken Ericssonというテキスタイルアーティストがいる。
先日Kickenが 彼女の親友で2006年に亡くなった同じテキスタイルアーティストだった NINI について話してくれた。
たくさんステキな作品を残したNINI。
Kickenはこんなステキな作品なのに、亡くなったからといってみんなに忘れ去られるのはもったいないと言って、たくさんの彼女の面影がつまった大切なピースを 私たちに見せるために持ってきてくれたのだった。
      
私は、彼女の作品を展示された部屋に入るなり鼓動が高鳴った。
Kickenもそうだが、NINIは布のはぎれを本当に愛していた。
そしてその小さな布きれにNINIの世界を見出していった。
NINIの織りはいわば 小さな布きれの拡大図なのだ。

花柄のハギレ

見えるだろうか。
布きれのほぐれまで表現している。
横に飛び出している糸くずなんかは、わざと後からつけ足したりしている。

見えるだろうか。
このはさみで切ったような微妙なカーブ。
その他の作品にも 細い色糸をところどころ加え 汚れまで表現していたりする。
1つ1つ気の遠くなるような作業なのだが、NINIの布に対する愛が作品からあふれている。
本当にステキなものばかり。
また彼女はプリントにおいても活躍していた。

そして、1つ驚くことが。
私は日本の古本屋で1冊織りの本を買ったことがある。
読めるアルファベットではなかったので、その当時ドイツ語だろうと信じこんでいた。しかし、スウェーデンに来てしばらくたったある日、その本がなんとスウェーデン語だということにやっと気づいた。
そして、その日、Kickenがその本を手にしていて、‘この本にね、2つのマットが並んで載っている写真があるのだけど、こっちのが私の そしてこっちがNINI!’とうれしそうに教えてくれた。
この本で何か二人と通じることができる気がして 密かに うれしい。
そして何よりもこの2人のステキなテキスタイルアーティストを知ることができて 心からうれしい。

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