toggle
2011-10-13

受け継ぐもの

とても幸運な偶然の運びで、あるおばあちゃまから織り機一式を譲っていただけることになった。

スウェーデンなら、中古の織り機を探してもゴロゴロ出てくるのだが、日本ではなかなかそういう機会はない。でも、いつかちゃんとした織り機が欲しいなあと思っていたところである。

おばあちゃまの家を訪ねると、あのスウェーデンで訪れたエルサばあちゃんを思い出した。(ある村にある ある人生:2011年3月26日の日記)

なぜならエルサばあちゃんちと同じような織りの作品がいっぱい家に飾られてあったから!

予想もしない北欧テイストの織りに大興奮の私。

おばあちゃまはもうご高齢なので、編んだり縫ったりするくらいしかもうできないのだそう。

興味津々の私に、おばあちゃまはご自身の作品を見せてくれた。

・・・エルサばあちゃんの時もそうだったけど、膨大な緻密で繊細な手仕事に圧倒された。

織りだけではなく、キルトも(キルトの上にほどこされてある刺繍がとてもとてもステキだった)たーくさんあり、どうやら染めもされていたよう。まさにテキスタイルアーティストである。

おばあちゃまは着物もたくさん織っていたよう。なので、おばあちゃまの扱う素材はほぼシルク!

どれもこれも完成度の高いものばかり。

タンスの中には北欧パターンやモラと書いてある箱などもあり、本当にありとあらゆるものを作っていたことが窺える。

 

 

 

 

 

 

そして、中でも驚いたのは着物の帯。

シルクと金糸で織ってあるのだが、ムンカベルテというスウェーデンの伝統的な模様が入っていたのだ。なんてかわいい帯なんだろう。

織り機だけではなく、シャトルや筬などの付属のものも、シルクの糸やウールの紡ぎ車など、おばあちゃまのテキスタイル道具一式を譲っていただいたのだ。

あんな作品を紡ぎだしていたお道具を手にすると、それだけで百人馬力のような気がする。

おばあちゃまから受け継ぎまた私も誰かに受け継いでいくのだろうか。でも、その頃にはエルサばあちゃんや、おばあちゃまのような作り手になっていることを目標に・・・

しばらく捺染作業がフル稼働の最近の私ですが、冬は織りをして過ごそうと今から心待ちにしているのです。

 

関連記事