自給自足
私が田植えについてここに書こうとしていると、父や母は、愛媛に帰るとどうもテキスタイルというより農家の人のブログになってしまうと心配する。
そうかな・・・と少し考えつつ、それでもやはり日々私に刺激を与えるものは私を取り巻く自然なので仕方がない。そして加えて「食べること」にとても興味があるので農業にも興味津々の私である。
愛媛の実家では幸せなことに年中その季節ごとの果物が採れ、お米や野菜もうちで収穫できる。そして、父の作る無農薬採れたて野菜は本当においしい。東京で暮らしていた頃、スーパーで買う野菜と父が作る野菜はどうしてこんなにも味が違うのか不思議に思ったくらいだった。
しかし愛媛に帰り、2週間暮らして改めて感じることは、生きる(食べる)のって忙しいってこと。
野菜を間引いたり、収穫したり、干したり、田植えをしたり、草をひいたり、採れ過ぎたものを近所に配ったり・・・父はちっとも家の中にいない。加えて毎日豆乳&豆腐づくりまではじまった。
母も気づかぬうちに保存食を作ったり、化粧水を作ったりしている。
最近はお茶も自家製。ばあちゃんから受け継いだハブ茶に加え その時どき採れるスギナ茶、ドクダミ茶、柿の葉茶、そして玄米を煎って作る玄米茶。後はハーブティーなども・・・
作ることって1つ1つ手間がかかる。すべて買って生活をしている人が、はたと、これらすべてを自らの手で生み出す生活を考えると気が遠くなるかもしれない。体を使い毎年季節と共に歩んでいく。歳を重ねても毎年同じように畑を耕し、苗を植え、収穫し、休むことなく働く。私は、少し憧れの眼差しで見ていた自給自足ってものが甘いものじゃないっていうのを体感した。
それでもやはり、自然の恩恵を体いっぱい受け生きられることは幸せなことだと思う。虫、雑草や花などあらゆる生き物が生きている土の中から生まれる確かな食べ物。日々育つ喜び。生きる営みを知るということは自分自身を知るということにもつながる。そしてやはり、私はそういう暮らしの中で手を動かし日々の暮らしを慈しんでいきたいと思う。
私のブログが少々農家の人のようになっていてもそれが私の暮らしなので仕方がない・・・とここで断っておこう。