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2010-04-08

エプロンばあちゃんの町*ナザレ


2日目 この旅1番の目的の町 ナザレを目指した。
バスでリスボンから2時間くらいなのだが その道中も 景色に目が離せない。
花が咲き乱れている。
こんなレモンイエローの草原を見たことがあるだろうか。
かわいい風車 土壁の家 起伏の激しい土地に風力発電の風車が点々と立っている。

着いたナザレの町は 予想以上にステキな町・・・というより村
バスから降りたとたん噂のエプロンばあちゃんが向かいの通りから私目指して走り寄ってきた。
ここでは民宿が主流らしいと聞いていたので 私もその体験をしてみることに。
民宿というよりアパート貸のようで 思わぬステキな2日間のナザレ暮らしが始まった。
ナザレの町には鳥を飼っている人がたくさんいる。
あっちでも こっちでも ピーピー ピロピロ
私のアパートの上にも鳥が住んでいて 飼い主がアパートに帰ってくると 階段をのぼっていく間 口笛で その鳥と会話をしていた。

まるで夏のナザレ
太陽の日差しが強すぎて カメラのファインダーもろくにのぞけない

海沿いには観光客向けのお店が並んでいるが 1歩中に入ると洗濯物がプラプラ ナザレの人々の居住区だ。


これはおばあちゃんの服装のセット
ウールのショール 頭に巻くスカーフ エプロン スカート
そして足元はアーガイルやボーダーの靴下に黒いツッカケ
なんてかわいい組み合わせなんだろう

典型的なじいちゃんとばあちゃんのスタイル
ばあちゃん達の色合わせに 釘づけの私。
そう 私の目的はエプロン。
せっかくここまで来たのに 横目で見ているだけじゃつまらない。
しかし 写真を撮るにも人が相手なので 気を遣って後ろ姿くらいしか 撮れない。
みんなとてもかわいいエプロンをつけているのに どんなお店へ行ってみても 売っているのは しらけた白地に赤のチェックの上に黒いオンドリがプリントされているような みやげもののエプロンばかり。
道端でレース編みをするおばあちゃん。

ハンカチのような柄物の布を 白い糸でかがっていき 次はブルーの糸で そのまわりをさらにかがっていく予定らしい。
見たことのないようなとてもかわいいレースを編んでいる。
しかし すべてポルトガル語しか通じないので なかなか広がらない。
しょうがなく テクテク歩いていたら エプロンばあちゃん達が集う小さな手芸店を発見!
そこで私が見たのは・・・
そう、エプロンに縫いつけてある いろんな種類のテープや きれいな色のレース編み用の糸!
そうか、エプロンはばあちゃん達の手作りなのか。。。と気がついた。もしくはオーダーメイド。
ちょうど そこにいたおばあちゃんのエプロンについているテープも発見!
そのおばあちゃんはどうやらエプロンを新調するらしく 小さなチェックの生地を持っていて それ似合うテープをお店の人に選んでもらっている。
いろいろ聞きたいところだが 残念なことに さっぱり言葉がわからない。
私もばあちゃんを参考にしつつテープを選んで購入。

これは美術館で見た民族衣装。
頭のでっかいポンポンがかわいい。
そして柄on柄の組み合わせがとてもかわいい。
そしてとても幸運なことに英語をしゃべれる人に出会い 話しているうちに 町の縫い子さんを紹介してくれることになった。
まず1人目の女性。
今は伝統的なスカートは作ってないのよと言われ次の女性のところへ。
ドアの外から呼ぶと となりの家からエプロンばあちゃんが顔を出し どこか出かけたわよという。
そして向こうから歩いてきたおばあちゃんが あら あそこのスーパーにいたわよという。
そんな連携プレーのおかげで マリアに会うことができた。
エプロンの下のスカートはチェック。
マリアは普段着のエプロンではなく 伝統衣装のスカートを作っていた。

この細かいヒダのプリーツ

3mもの生地を細かく折りたたみつつ手で縫っていく。
生地はウール アイロンと圧力でプリーツを固定させる。
こうやるのよと 実演してくれたが とてもスピーディにプリーツを折っていく。
そうこうしていると近所のおばちゃんも伝統衣装を持って披露しに来てくれた。

これはもっと お祝いの時などにつけるような 豪華なもの。
マリアはこのおばあちゃんが着ているようなブラウスも縫っていた。
伝統衣装は7枚重ねのスカート

これもマリアの手刺繍。
7枚重ねのうち6枚目に着るスカート。
生き生きと 誇らしく彼女たちの伝統衣装を見せてくれた。おばあちゃんたちの愛情あふれる町だ。
みんながみんな知り合いで 会えば立ち話。町の至る所に井戸端会議の輪が。。。
そして私も2日目には 顔見知りのエプロンばあちゃんとごあいさつ。

1人たたずむ 犬

散歩中の ネコ
町の至る所で エプロンばあちゃんを見かけるたび その衣装のせいだか とても幸せな気分になり ナザレを発つのは最後の最後まで 名残惜しかった。

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