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2013-09-29

種の話

以前シネマルナティックに来ていた「よみがえりのレシピ」を見に行った。

F1種っていうものの存在は知っていたものの・・・。この映画を見たら、ますます種を意識するようになった。そして在来種を守らなきゃ、種を取らなきゃって思った。

かつては、その土地や気候に合ったその土地特有の種が代々受け継がれ、作られていたのに、高度成長期を迎えた日本では、食べ物までも大量生産の時代となり、出荷しやすく同じ大きさや形に、そして大量に育つF1種の種にいつの間にか取って代わられていたのだ。

F1種は一代限りの種のこと。そして大量の肥料や農薬とセットの種。種が取れないから毎年種を買わなきゃならないし、育てるために肥料や農薬だって買わなきゃならない。土壌汚染や、病害虫、食の安全や健康を危険にさらし、在来種を絶滅の危機に追い込む変わりに、一部の人が儲ける仕組みとしか言いようがない。

スウェーデンから実家に帰国し、祖母の家に暮らし、多少農的暮らしをするようになるまで、自分が食べてるものの種のことなんて、想像もしなかった。

1つ種のことで、思いあたることがある。それは綿の種。

昨年から、広島の叔父さんが育てていた綿をもらい、うちでも育てるようになった。

ただ、葉巻虫が大量発生して、捕っても捕っても葉っぱが虫食いだらけになってしまった。叔父さんに聞くと、そりゃ農薬せないかんよ、と言う。

昨年鳥取の友人宅へ遊びにいくと、そこに綿が植えられていた。とってもきれいな葉っぱで、農薬をしているのかと聞くと、全くそんなことはないと言う。その時初めて知ったのだが、私が叔父さんからもらったものは、米綿。友人宅で育てられていたのは、和綿。しかも弓ヶ浜絣のための綿で、種も代々受け継いでいる種だと言っていた。

今年は、そこから少し分けてもらった和綿と昨年収穫した米綿、そして綿を育てているならと、ある人から送っていただいたオーガニックコットンの種、3種類を植えた。もちろん無農薬。

同じ列に植えているのに、去年に引き続き米綿は虫だらけ。見事にオーガニックコットンと和綿は虫なし。

そして、この写真の桃のような大きな蕾は、米綿。コットンボール(種まわりの繊維)の大きさを見て、あ、これは・・・と思いあたったのだ。

オーガニックコットンと和綿のコットンボールの大きさは米綿の半分・・・もしくは3分の1くらい。そして米綿は一本にかなりたくさんの実をつけるのだ。

米綿はもしかすると繊維がたくさん取れるように、人間に都合良いように作られた種なのかもしれない。もしくは代々農薬を浴び続けていて、抵抗力のない遺伝子になってしまったのか・・・。虫に負けない米綿もあるのかな?

とにかく純和風のりりしい小さき和綿はかわいい。

こちらはオーガニックコットン。触ってみたら、ほっにょほにょの柔らかい繊維!

左から和綿・オーガニックコットン・茶色の米綿

うちではお米を無農薬で育てている。最初は病気になったりしないか心配だなあなんて思っていたけど、おいしくって元気なお米が育っている。どう考えても、自然が一番なのにな・・・と思う。逆に肥料のやりすぎで、稲が倒れてしまっていたり、農薬をしていてもなお、病気にかかっている稲を見る。人間もそうだけど、植物だって、病気に打ち勝つ生命力・免疫力があるかどうかだなあと思う。

続いて最近「世界が食べられなくなる日」という映画を見にいった。これは遺伝子組み換えと原子力という2つのテクノロジーの恐ろしい真実が語られている。知っているのと知らないのとでは全然違うから、この映画の内容はみんなに知ってもらいたいなって思う。

(遺伝子組み換えでない)大豆って強調されているのを見て、きっと遺伝子組み換えじゃない方がいいんだろうな、というレベルの知識だった私。真実を知って、恐怖・・・。映画の中で、遺伝子組み換えのトウモロコシをエサとして食べていたラットは次々に腫瘍ができていった。目を覆いたくなるような大きな大きな腫瘍。死亡率も上がり、メスの場合は食べ続けると乳がんを発症するケースが増え、肝臓、腎臓障害を発症し、ガンの死亡率も高い。

現実に乳がんの女性は増えているし、ガンで死亡するケースだって、増えているじゃないか!

たった3カ月の実験で安全なことにされた遺伝子組み換え食物は、この映画で取り上げられている2年にわたる研究で、とても人体に悪影響を及ぼすことが立証されている。そして、同時に除草剤が散布されたトウモロコシだって、健康被害を与えることが証明されている。

日本のお米だって農家の人は普通に除草剤を撒くって父から聞いて、私は衝撃だった。稲は枯れずに雑草だけ枯れる便利ツール。父はただ、手で雑草を引いているだけ。主食であるお米まで農薬漬けだったなんて・・・。

3.11以降、今までベールに包まれていたものがどんどん露わになっていくような気がする。私が今まで何も考えなさ過ぎただけなのかもしれないけれど、1つ1つ見直していく時が来たのだろう。

とにかく、あまりに映画の内容が衝撃で、つい長々と書いてしまいましたが・・・

油断も隙もない、気がつけば、放射能だけではなく、農薬、遺伝子操作・・・・見えない危険なものに囲まれてしまってるんだ・・・と思い、見渡し、背筋を伸ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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