植物観察in祖母の庭
順を追って次々といろんな花が咲く。
祖父や祖母が住んで60年ほど経った家はリフォームしたが、庭はそのまんま。
放っておくと庭や畑って大変なことになる。
鳥が種を運ぶのか、至る所に、クスノキ、ドングリ、ナンテン、びわ、イヌビワ、万両の木・・・などがにょきにょきと、植えてもいないところにどんどん生えてくる。ヤツデなんかは、切っても切っても巨大な葉っぱを大きく大きく広げて庭を占領していく。
その木々がうっそうと茂ると、陽があたらなくなったものが、消えていく。そしてどんどん荒れて行ってしまうのだ。
ああ、大変。
なるだけ、祖母や祖父が植えてあった植物に残ってほしいなーと願う私。
春には、いい匂いが漂ってきた、フリージア。
家を飛び出し、アスファルトの道へ這い出す多肉君達。
玄関の辺りを見ると、驚くことがある。きっと祖父祖母の時代は観葉植物だっただろうもの達が、野生化しているのだ。
カポックなんて、松と張り合って、どんどん枝を伸ばしていた。
毎年咲いていたのか、それとも今年は人が住んでいるから、喜んで咲いてくれたのかわからないが、(去年は見た覚えがないので。)蘭が咲いていた。
祖母が亡くなって4年くらい経つ。誰も水をやったり世話をしていないのに、なんてたくましいんだ。
そして、もう一人たくましい花は、ぎょっとするような極彩色のボタンさん。
入口のところで、通りの方へ向かって咲いていた。私はここにボタンの花が咲いているのをはじめて見けれど、母は、祖母がこの花が散らないようによく傘をさしてあげていたと言っていた。
紫色がステキなシラー。水仙が終わった後の草むらに隠れていたので、少し日光があたるように周りをカットしてあげた。
そして、これは最後の生き残りとなった一輪のバラ。
もう一輪、裏庭に毎年咲いていたバラがいたのに、今年にはいなくなっていた。
このはかなく咲いているバラが最後の一輪。
いつの日か祖父と祖母が植えた花や植物達が命をつないで生きている。
不思議だなあと思いつつ・・・庭を見渡しては、途方に暮れる。
只今、ここはドクダミ屋敷なり。